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【孔子】
春秋時代(約2500年前)の中国の思想家、哲学者であり、儒家の始祖。 釈迦、キリスト、ソクラテスと並び四聖人(四聖)に数えられる。 その死後、約四百年かけて弟子達が編纂したのが『論語』である。 |
- 投資と孔子(『論語』を学びトレードに活かそう)
- 学ぶことは人生の喜び
- 飽くまで食らいて日を終え、心を用うる所なし、難いかな。博奕なる者あらずや。これを為すは猶お已むに賢れり。
- 事があって人の真価は分かる
- 反省する謙虚さが大切
- 何を言うかではなく、何をするか(実行第一)
- 過ちて改めざる、是れを過ちという
- 為せば成る、為さぬは人の為さぬなりけり
- 富を求めない者はいない
- 過ぎたるは猶及ばざるが如し
- 君子危うきに近寄らず・君子豹変す
- 故きを温ねて新しきを知る
- 急いては事を仕損じる(急がば回れ)
- 社会の基本は家庭
- 自分で判断すること
- 学ぶことと思うこと(考えること)
- 学問に王道なし
- 命をかけて探求するもの
- 朽木は彫るべからず
- 興味のあることを休みなく続けること
- 石の上にも三年
- 善いことをする人を助ける
- 玉磨かざれば光なし
- 心の持ち方で変わる人生
- 天命を自覚して生きる
- まとめ
投資と孔子(『論語』を学びトレードに活かそう)
徳川家康や渋沢栄一が教訓とした『論語』は、為政者・指導者向きの教え(帝王学)であり、人格者に程遠い僕には眩しすぎます。
ただ、投資家として生きていく上で、参考になる部分もありますので紹介します。
学ぶことは人生の喜び
学んだことを、実践・反復することで深く理解でき、自分のものとなる。
他人の評価など気にせず、自分が喜びを感じる生き方をすることが大切。
これは『論語』に一貫している根本的な思想・哲学です。
学ぶことの重要性は全てに通じますが、後半部分は孤独な投資家として勇気が出ます。
飽くまで食らいて日を終え、心を用うる所なし、難いかな。博奕なる者あらずや。これを為すは猶お已むに賢れり。
食べることだけで学ばない日常なら、賭け事をした方がマシである。
事があって人の真価は分かる
松や柏が冬でも緑の葉を付けているように「どんな状況でも自分を保てる強い精神力を身に付けなさい」という教え。
相場が暴落しても、バブルでも、自分のルールを守り、淡々とトレードをします。
反省する謙虚さが大切
人生をより良く生きるためには、同じ過ちを繰り返さないことが大切。
日々のトレードを反省し、失敗は繰り返さないことで成長します。
何を言うかではなく、何をするか(実行第一)
言葉ではなく行動こそが人格を表す。
人間性は、調子の良い言葉などではなく、誠実な行動にこそ現れます。
ですから「いくら稼いだ」ということではなく「どのように相場に対処しているか」という話をするべきだと考えています。
過ちて改めざる、是れを過ちという
過ちを犯したのに直さない、それが本当の間違いである。
相場の見通しなど、自分の判断が間違っていれば、すぐに考えを訂正するべきです。
損失を拡大させないために、ポジションを閉じ、再度冷静に分析し直すことが重要です。
為せば成る、為さぬは人の為さぬなりけり
何事も出来ないことは無い。出来ないということは、努力が足りないということ。
正にそう考えて投資と向き合ってきました。
努力の方向性が間違っていれば、なかなか成功に辿り着けない気もしますが、遠回りしたからこそ得られるものもあると考えることもあります。
いずれにしても諦めなければ、いつか目標に辿り着けます。
富を求めない者はいない
手段が不正でなければ、お金儲けは良いことである。
明治の実業家であり、日本資本主義の父と言われる渋沢栄一は『論語』を人生の哲学として活躍しました。
過ぎたるは猶及ばざるが如し
「分相応に生きるべし」という教えですが、投資資金も同じであり、多すぎても少なすぎてもダメです。
君子危うきに近寄らず・君子豹変す
君子とは、頭の回転が良く、先見の明がある人格者(賢者)のこと。
危険な場所に近づかず、臨機応変に対応すべし。
自分がよく理解していない商品には手を出しません。
自分の予測通りに相場が動かない場合は、すぐにプランを練り直します。
故きを温ねて新しきを知る
古いことを研究して学び、新しい知識を得ることに生かすことが出来る人は師となれる。
人生は、色々なことを成し遂げるには短すぎます。
ただ、人間の生き方など「本質に関する部分の考え方(哲学)」は昔も今も変わらないはずです。
ですから、哲学・宗教などは先人の教え・歴史を学び、現代に通じる部分は積極的に取り入れようと考えています。
そして、投資に関しては、研鑽を続け、自らの手法を体系化しようと考えています。
急いては事を仕損じる(急がば回れ)
物事には順序というものがある。一つ一つを丁寧に取り組んでこそ良い結果が出る。
「急ぐ」は「焦り」と同じです。
有意義な教えですけど、焦って失敗しないと分からないこともあります。
どんなに筋トレしても一週間でムキムキにはなれないように、トレードで結果を出すことも一朝一夕には不可能です。
社会の基本は家庭
家庭が「仁」と「孝」とによって、慈しむ心を養うことが出来れば、理想の社会が実現できる。
「祖先から受け継いだもの(自分の生命)を活用し、いかに子孫に繁栄をもたらすか」について考えています。
自分で判断すること
大衆の意見に迎合せずに、自分で判断することが大事である。
『論語』では、人を判断する時に「言葉」ではなく「行動」を見ろと一貫して説いています。
トレーダーの立場で考えると、ニュース(言葉)ではなく、チャート(値動き)を見ろと考えます。
※テレビでは「コロナ」の報道で溢れていますが、チャートを見ると株価は上がり続けています。つまり、相場はコロナを人類の歩みを止めるものではないと判断していると分かります。
学ぶことと思うこと(考えること)
「学ぶこと」と「思うこと」とが両方備わって、人間として正しい方向に進んでいく。
知識を得て、実践・反復し、自分なりの考えを持つことで智慧となると解釈します。
トレード手法についても、常にこれの繰り返しです。
学問に王道なし
安易な近道を選ぶのではなく、正道を極めることに価値がある。
しっかりとした基礎が無いと立派な建物は建てられません。
投資においても、資本主義経済、民主主義政治、株式会社の仕組み、株式市場の仕組み、投資商品の性質などを学び、本質(何が利益をもたらすか)を理解しないと、利益を出し続けることは難しいです。
命をかけて探求するもの
朝に正しい真実の道が開けたなら、その晩に死んでもよろしい。
現在の僕にとって【投資道】は娯楽です。
朽木は彫るべからず
自ら考えようとしない者に、教えることは何も無い。
「学ぼう」「何かを得よう」という姿勢が大切だという教えです。
チャートを見続けていると、有効なトレード手法を発見できることがあります。
真剣に考え続けるとヒントは見つかるものです。
興味のあることを休みなく続けること
努力することの大切さ、休みなく続けることの価値
「継続は力なり」ということですが、まさにトレードにおいても言えることで、年々勝率が上がっていきます。
石の上にも三年
三年間くらいで一区切りと考えることが良い。
三年という数は「長いこと」の例えですが、中学時代・高校時代と考えると、あっという間です。
善いことをする人を助ける
君子は善いことをする人を助け、悪いことをする人を止める。
小人は善いことをする人を「無駄だ」と止め、悪いことをするようにそそのかす。
哲学について学ぼうとすると「お金にならない」、投資について学ぼうとすると「どうせ損をする」という人とは友人にはなれません。
玉磨かざれば光なし
勉学をして修業しなければ人生で成功することは難しい。
「努力に勝る才能無し」ということです。
心の持ち方で変わる人生
君子—修養を積んだ人は、心が出来ているので、細かい利害や得失などに気を煩わせることなく、ゆったりとしている。→幸せ
小人—心の修養を積んでいない人は、些細な利益や得失に心を奪われ、くよくよしている。→不幸
月単位で収益がプラスになることを目指せば、損失を出しても何とも思わなくなります。
天命を自覚して生きる
天命を自覚し、人のためになるように生きることが立派な生き方である。
そのために、礼をよく学び、人の言葉をよく聞き、物事を深く考えなさい。
まとめ
『論語』に書いてあることは、「まぁ、堅苦しい」です(笑)。
徳川家康の遺訓をまとめると「急ぐな、怒るな、欲張るな」なのですが、僕は全く守れずに生きてきました。
ですから、僕はどちらかというと『老荘思想』寄りであり、元々人の上に立つようなことは全く考えていませんので、自分らしさを大切に精一杯生きたいと思います。
参考文献
面白いほどよくわかる論語―時代を超えて生き続ける、日常生活で役立つ孔子の教え (学校で教えない教科書)
