「経済の先読み」に定評のある似鳥氏ですが、落ちこぼれで大学は裏口入学したそうです(本の中で、ご自身がそう書いています)。
ビジネスで成功した人の話には、「投資で成功するヒントも隠されているはず」ということで読みました。
うちの娘は、字を覚え始めた頃「ニトリ」の看板を見て、「ことり」と読みました↓。

ニトリ 成功の5原則
1.目標
「世の為、人の為に、人生をかけて貢献したい」【大言壮語】
アメリカに学ぶ
・・・アメリカ視察旅行で受けた衝撃が、私の人生観を一変させた。
アメリカではしっかりマーケティングをやって、使う人、買う人の視点に立って製品が設計されている。
アメリカではTPOS(Time・Place・Occasion・Style)を想定して、機能を絞り込むのが常識。
それによって使い勝手も良くなるし、コストも安くなる。
圧倒的な低価格と高機能、そしてトータルにコーディネートされた美しさ。
日本では「モノが多いことが豊かな証拠」と思ってしまいがちだが、「家は本来、家具など無い状態が美しいのだ」と私は思った。
私はアメリカの住まいを見て、モノの考え方が根本から変わるほどの衝撃を受けた。
「アメリカのものを全部真似していこう」。
アメリカのやり方のうち、日本で何が受け入れられ、何が受け入れられないかなど、やってみなければ分からない。
だったら全部取り入れてみればいい。
やってみてダメなものがあったら、それだけやめればいい。
アメリカに行く前、私は人生について「こんなものだろう」と諦めていた。
「頑張ってみたところで人間、結局はなるようにしかならない」と思っていた。
いわば「宿命主義」。
それがアメリカに行ったことで「理想主義」に変わっていった。
働く目的が「日本の人々を豊かにすること」に変わってしまうと、自分だけが得をするために努力していたものが「人々の幸せに繋がる努力」に変わり、働き方もテンションが上がり、一気にハードワークになっていった。
お客様は、安いことが一番嬉しいのだ
生活を豊かにする方法は2つある。
1つは収入を増やす、もう1つはモノやサービスの値段を安くする。
ビジネスは利鞘で稼ぐもの。
銀行は安い金利でお金を借りて、高い金利でお金を貸す。
メーカーは安く作って高く売る。
小売りは安く仕入れて高く売る。
または顧客の満足度を上げる(モノやサービスの質を上げて安く感じさせる)。
投資信託やETFは所有している間、ずっと信託報酬が引かれ続けます。いわば、運用会社のサブスクに契約しているようなものです。
2.計画
10年以上先に達成すべき長期目標(不可能な数字)【点滴穿石】
計画の大切さを教えてくれる話
『アリとキリギリス』
→人生の冬(老後)に備え、コツコツ積み立てる。
『ウサギとカメ』
→塵も積もれば山となる。
『ノアの方舟』
→災害や暴落に備えるには、高価なモノを所有しない・海外資産を持つ、暴落時に買い向かえる資金を準備する。
3.意欲
「出来そうもない事に挑戦する」
意欲を高めるには、今頑張れば達成できる身近な目標に置き換える必要がある。【深謀遠慮】
「売る」努力よりも、「売れる」システム作り
ビジネスに関する全てのことを標準化し、誰でも同じことができるようにする。
価格も、品質も、品揃えも統一し、仕事のやり方も統一する。
社員に「売る」努力を求めず、会社として「売れる」状態を作る。
システムとは「良い習慣」と考える。
4.執念
「目標を達成するまで諦めないこと」【七転八倒】
5.好奇心
「常に新しいものを発見しようとすること」【温故知新・臨機応変】
好奇心も目標と計画から生まれる
「何か取り入れられるものはないか」と常に考え探し続けることが好奇心。
「人と違うことを考える」のも好奇心。
「人と違うことをする」から成功する。
投資もそう。
世間では景気のいい時に投資するが、ニトリは景気が悪くなってから投資する。
不景気の時に投資すると土地や建物は好景気の時より3~5割安くなる。
原油高で原油株を買うのは、目先の利益を求める利己的な行動。
それは報われない。
再生可能エネルギー会社に投資するのは、人類の未来のためになる。
未来を予測する
未来から現在を、全体から部分を決めていく。【木を見て森を見ず】
物事の根本は見えにくい。
表面的な問題を変えるのが改善、根本を変えるのが改革。
物事は何でも、あちこちから多面的に捉え、立体としての正確な形を捉えた上で、どう処理したらいいのかを考えなければいけない。
私は「バブルで価格が跳ね上がる時には、元の値段の三倍が限度」と考えている。
そこまで行くとバブルは破裂する。
これは古今東西で共通の、人類全体の原理原則。
事業環境の変化を予測し、正しい計画を立てられるかどうかが、会社の運命を決める。
未来を見通すのが社長の仕事。
先の先を見ている者が勝つ。