![]() | 【宮本武蔵】 江戸時代初期の剣術家・兵法家 『二天一流』の開祖 著書『五輪書』は、競争社会に生きる現代人にも支持され、また哲学書としても愛読されている。
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宮本武蔵の印象を一言で表すと【臨機応変】。
為政ではなく、己の道を極めるという生き方に共感します。
カッコよく言うと、僕は【投資道】を極めようとしています。
投資と武蔵(『五輪書』を学びトレードに活かそう)
序の巻
60歳を過ぎて死期を悟った武蔵は、洞窟にこもって自らの生涯を振り返り、2年かけて『五輪書』を書きあげました。
※六十戦以上戦い、無敗だったと記されています。
「五大五輪」(地・水・火・風・空)は、仏教思想で万物を構成する要素です。
イカは、トレードに通じる教えの抜粋です。
地の巻(兵法)
道を極めよ
一つの事に真剣に取り組み、極めることが大切。
「コツを掴む」「真髄を知る」ことが物事を極めるということ。
生兵法は大怪我のもと
浅い知識で物事を行えば大失敗する。
トレードにおいては、最低限「リスク管理」については知っておくべき。
拍子を知れ
拍子(リズム、タイミング、機会)を掴み、人生に勝利する。
「循環」がこの世の真理。
相場のリズム、売買タイミングを捉えよ、と解釈します。
簡単に言うと、勝機や商機を掴めということです。
まとめ
武蔵は「文武両道(知識と実践)」を唱え、広い視野を持ち、真実を見極めなくては達人になれないと言っています。
水の巻(心技体)
心の持ちよう
どのような時でも、心を乱すな。
勝負事は「ポーカーフェイス」でいることが大切だと言いますが、古今東西の偉人はみんな【平常心】の重要性を言います。
自己管理できないようでは、何も成し遂げられないということなのでしょう。
トレードにおいても同じで、株価の上下に一喜一憂しているようでは青いと言わざるを得ません。
簡単な克服法としては「将来の成長を客観的事実に基づき信じられる銘柄」「配当(優待)が継続して貰えると期待できる銘柄」「ドルコスト平均法や複利効果などの数学的理論の裏付け」などが理解できれば、目先の株価は気にならなくなります。
見るには「観」と「見」の二つがある
「観」とは、物事の本質を心の眼で見ること。
「本音と建前」など、物事には色々な角度から見ないと分からないことがあるので、本質を探れということです。
半分に切られたリンゴは、ある方向からだと丸々一個のリンゴに見えてしまいます。
トレードにおいても「売り方」「買い方」の両方の視点で株価を見ることが大切です。
自分が「買いポジション」だからと言って「売り方」の視点を持てないようでは浅いということになります。
まして「売り方は間違っている」などと考えるようでは愚者といえるでしょう。
試し斬りも本気で行え
物事には真剣に取り組め。
「実戦のつもりで練習しろ」ということは、よく言われます。
投資に練習などはありません。常に真剣勝負です。
居着かざるは、生きる手なり
固定観念をもたないことが生きる手段である。
トレード手法もAI時代に合わせて変化させていきます。
無念無相の打ち
恐怖や迷いがあれば、その時点で負けである。
自然体でいれば、不必要な力が入らず、集中力が高まるという教え。
日頃の努力があれば、自然と好結果が生まれるということです。
トレードにおいても経験を積めば「勝てる」と分かる場面が増え、自然と相場に入って行けるようになります。
流水の打ち
自分の間合いで勝負することが大切。
トレードにおいても、はやる気持ちを抑えて、適切な売買ポイント(節目)に株価がくるのを待つことが大切です。
待てないのは「今買わないと株価が上がってしまう(欲望)」「これ以上下がったら損失が膨らんでしまう(恐怖)」と【平常心】を失っているのです。
「打つ」と「当たる」とは異なる
まぐれを喜べは成長無し。
努力によって得た成功は更なる成長に繋がりますが、まぐれを実力だと勘違いしてしまえば成長は止まるという教えです。
トレードなんて、上がるか下がるかしかないわけですから、二回に一回は当たります。
それを実力だと考えれば、それまでです。
多敵のくらい
多数の敵と戦う時は、相手を一方向へと追いやれ。
二刀を広げて構え、相手を一方向へ追いやれば、一対一の戦いになって勝機が生まれるということです。
トレードにおいても、様々な状況変化に対応し、売買判断を下さなければなりません。
打ち合いの利
真髄は書き記すことが出来ない。鍛錬し、己で掴み取るべし。
トレードにおいても、同じ状況というのは二度と訪れません。
ですから、自ら実践し、継続し、経験を積んで「勝率の高い手法」を構築しなければなりません。
「感覚」や「裁量」の部分は教える部分ではないのです。
一つの打ち
繰り返し鍛錬することで勝利の一撃が打てる。
トレードにおいても、何度も繰り返すことで「必殺技」と言える売買手法が身に付きます。
火の巻(戦略・戦術・戦法)
場を見分ける
技術があっても、状況が悪ければ能力を発揮できない。
武蔵は、太陽(室内では灯りを)を背にして戦うことを心掛けていました。
つまり、戦場を観察し、どこで戦うべきかを予め考えていたということです。
戦う前の入念な準備、勝率を高めるための要素の積み上げが大切です。
毎朝のチャート分析は開場前なので平常心で行えます。
そしてテクニカル分析の各指標の積み上げで勝率を高め、トレードに臨みます。
三つの先
自分から、相手から、同時に攻めた時、それぞれの対応方法を知れ。
寄り付き前に「前日終値より高く寄り付いた時」「安く寄り付いた時」「同値付近で寄り付いた時」にどうするか、
時間経過とともに「上昇トレンド」「下落トレンド」「横這いトレンド」となった時にどうするか、
節目で「もみ合った時」「跳ね返された時」「突破した時」、こういったケースでどうするべきかを決めておくことが大切です。
渡を越す
人生の荒波を乗り越えよ。
市場の暴落を経験し、二度目の暴落を乗り越えられれば、次からは暴落を好機と捉えて稼ぐことができるということです。
景気を見る
優勢、劣勢を冷静に分析せよ。
トレードにおいて、僕は「軍師」の立場で相場を常に俯瞰しています。
崩れを見逃すな
家が、身が、敵が崩れる拍子を捉えて逃すな。
トレードでは、長く続いたトレンドが崩れた時が大チャンスです。
敵になる
相手の立場になって考えろ。
トレードにおいては「含み損」を抱えている人の心境を考えてみると、自分がどのように対応すべきかよく分かります。
含み損の人は「戻り待ち売り」狙いなので、その価格帯では自分は買いません。
そう考えると「押し目買いをすべし」という結論に達します。
風の巻(比較分析)
他流の不足
他流派を批判することで自己肯定する。
「批判」とは悪口でありません。
良い点と悪い点を挙げ、評価することです。
武蔵の教えからは、とにかく「勝利への執念」を感じます。
これは孫子の兵法からも感じることですが、負けることは死を意味しますから当然と言えば当然です。
僕も家族を養っていかなければならないので、そういう意味では生死がかかっています。
ですから、トレードの勝利には執着しますし真剣です。
他に大きなる太刀を好む流あり
太刀の長さに頼り、遠くから敵を打とうとする者は、兵法を知らない。
他に短き太刀を好む流あり
他に目付けを好む流あり
太刀、頭、手など相手の一部分を見ろという流派は誤りである。
木を見て森を見ず、ということです。
トレードにおいても時足だけを見ていては勝てません。
月足・週足・日足、すべて大事です。
空の巻(人生観)
空は心なり
本質を極めて至る無我の境地。
ここを目指します。
