消費者物価指数が前年同月比5%超え、原油価格が1バレル130ドル超え。
これらは、いずれも「リーマンショック」以来です。
ダウ8週連続下落は90年ぶりとのこと。
(当たらない)今後の相場展望
FRB資産推移

※赤線のFRB資産は今年6~8月は-475億ドル、9月以降は-950億ドルとして来年末まで表示しています。
リーマンショック後、この2つはほぼ連動しています。
2016年末~2017年はトランプラリーとなり、連動性が失われたように見えますが、コロナショックで連動性を取り戻したように見えます。
※トランプ氏はビジネスマンだから株価を上げてくれるという「期待感」があった。コロナショックでそれが剥落したわけだが、その「期待感」こそがバブルだったとも言える。
いよいよ6月よりQTが始まりますが、株価は先見性がありますので既に下落して(というより適正価格に向かって)います。
願わくば、円高と米国株安が重なった時に仕込みたいものです。
消費者物価指数
パウエルFRB議長が「断固としてインフレ退治をする」と言っているので「消費者物価指数」にも注目です。

現在8%台の消費者物価指数(前年同月比)が、2%台になるまで「金融引締め」を行うと言っています。
ただ、散々「物価高は一時的」と読み間違えた手前、実際にデータが2%台になるまで金融引締めは止められないでしょう。
パウエル「物価はピークアウトしました」
記者「それって、あなたの感想ですよね?」
と詰められることになりますから。
リーマンショックとの類似点
そもそもリーマンショックを引き起こしたのは、サブプライムローン問題です。
簡単に言うと、低所得者に返せそうもないお金を貸して家を買わせ、結果として支払い不能となり金融危機を招いたというものです。
文字にすると、アホみたいな内容ですが、実際には無いお金を生み出したのでバブルだったわけです。
※過去の日本も現在の中国も「人口は増え続けるし、土地は有限だから価格は上がり続ける」と信じたものの、実際は「人口減少&国にお金の蛇口を止められた」のでバブルが弾けました。
コロナショック後の金融緩和は、実際のお金を市中にバラまいたのでバブルではありません(例えるなら水風船)。
ただ、これから金融引締めを行って、お金を吸い上げるわけですから、構図は同じです。
お金増加→原油高→物価高→お金消滅(減少)→株価下落→景気低迷
リーマンショック時との違い
リーマンショック時は「バブルがはじける」という、ある意味一気にお金が無くなりました(元々無かったので当たり前)。
ですから、金融危機が生じてパニックになったのですが、今回は実弾ですからお金の量に関しては金融引締めをやめればいいので調節可能です。
これがFRBが「ソフトランディング」出来ると言っている根拠でしょう。
今後の相場展望
とりあえず、今は買い時ではないと見てます(ドルコスト平均法は継続推奨)。
その理由はイカの通りです。
本当に物価上昇率はピークアウトした?
住宅や中古車の需要は減っていますが・・・
原油-月足

天然ガス-月足

ロシア産資源の輸入禁止措置への流れも影響しています。
新しい供給網に移行するまで、エネルギーは高止まりする可能性があります。
仮に、物価上昇率の前年同月比がピークアウトしたとしても、エネルギー高が続けば、徐々に景気を蝕んでいきます。
アノマリーはどうなの?
アノマリーをバカにはできません。
世界の真理は「循環」であり、歴史は繰り返さないまでも韻を踏むからです。
そもそも「歴史は繰り返す」から、学校で歴史を学ぶわけです。
痛い目に遭わないと学べません。しかも少なくとも数回は・・・
アメリカ大統領任期について
2年目(中間選挙がある年)は、株価が低迷しやすい。
※良くて前年比トントンくらいです。
今年は異次元の金融引締めです。果たして?
セル・イン・メイ
5月~9月は株価が下がりやすい。
※特に6月はファンドの決算があります。今年はQTの年なので大量に売り注文が出やすいです。因みにコロナショック後の6月にも急落がありました。
投資家のメンタル問題
人間は「効率」を追求せざるを得ない生き物です(なぜなら寿命があるから)。
だから、底を当てたがるわけですし、購入単価を下げるためにナンピンもします。
しかし、資金が枯渇すると状況が変わってきます。
フルインベストの人と現金比率が高い人では、心の安定が違います。
フルインベストの人は「下げ止まってくれ~」
現金比率が高い人は「もっと下がれ~」
と考えています。
これこそ、株価の見え方が全く違います(価値は相対的なものなのです)。
理屈では「株価はいずれ最高値を更新する」と思っていても、含み損の期間が長いとストレスが蓄積していきます。
【病は気から】と言いますように、これが健康問題に発展しかねないのです。資産を減らした後悔の念から、投資から距離を置こうとさえします。
心から笑えない日々が続き、酒の量が増え、近しい人に八つ当たりしたりします。
そんな自分が嫌になり、楽になりたくて損切りすることになるのです。
チャート的にはどうなの?
コロナショックの時は、すぐさまFRBが異次元の金融緩和策を発表したので、株価はV字回復となりました。
今回も、そのような未来が明るくなるような材料が出れば、V字回復が期待できるかもしれませんが、現時点では考えられません。
ということは、少なくともW底は形成するでしょう。
ですから、買うのは「今ではありません」。
【頭と尻尾はくれてやれ】の格言を今一度思い出して、
「買うのはW底を確認してからでもいいや」とゆったり構えましょう。
まとめ
FRBがQT(金融引締め)を続ける限り、お金の価値が上がり、相対的に株価の価値は下がるので、株価の適正価格も下がっていきます。
ですから、少なくとも市場がQTが終わりそうと判断した時が買い時です。
他にも、停戦になるとか、何かしらの好材料が出れば買いを検討します。
でなければ、自律反発はしてもトレンド転換はしないと判断して、戻れば売りを繰り返します(短期売買に関しては)。