日本の学校でも投資教育が始まります。
日本より十年は進んでいると言われるアメリカですが、お金に関する教育はどのようにされているのか?
いつものように投資家目線で注目点をピックアップします。
アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書
著者の主張
大事なのは、お金の仕組みと社会の仕組みを学ぶこと。
→金融・経済・政治を学べば、世の中のことがよく分かります。
自分のお金に対する決断が、自分の未来を決める。
→金利と複利に対する理解は必須とのことです。
FP、投資や保険のアドバイザーの目的は手数料収入。
→他人に頼らず、自分で学ぶことが大切とのことです。
「バランスシート」や「損益計算書」を理解する。
→自分の家計や企業決算など、お金の流れを掴めるようになるためです。
景気はどうすれば読めるのか?
→生産・消費・貯蓄・投資が潤滑に行われているかどうかをチェックします。
大卒とそれ以外の人の収入は一年でほぼ二倍の開きがある。
生涯収入では5000万円の開きが出る。
→企業側は、学歴でしか人を判断できません。本当は学歴を通して、その人に教養があるかどうかを見ています。
お金は利息を稼ぐことが出来るので、明日手に入るお金よりも今日持っているお金の方が価値はある。
これをお金の「時間価値」という。
→この概念を理解しないと「投資」について深く理解できません。
投資の基本
投資に関する法則を利用することが大切だと書かれています。
「複利効果」→配当再投資
「72の法則」→72÷利回りで資産が倍になる年数が分かる
「分散投資」→業種が異なる銘柄を20社くらい買う
「ドルコスト平均法」→株価の動きに一喜一憂せずに済む
金利と複利の仕組み
僕も知らなかった事実があったので、ここはしっかりと書きます。
利率が年12%で、元本が100,000円、返済期間が一年の場合、一年間の利息は12,000円になります。
つまり、一年後に返す金額は112,000円です。
因みに、これは「単利」の場合。
単利で計算してくれるのは、アメリカでは家族くらいとのこと。
そして、相手が金融機関となると「複利」となります。
複利とは、利息が上乗せされた金額に、更に利息がつくということ。
利率が年12%で、元本が100,000円、返済期間が一年の場合、一ヵ月複利で計算すると一ヶ月目の利息は1%なので1000円。
二ヶ月目の利息は101,000円の1%なので1010円になります。
そして、12ヵ月目になると100,000円の借金が112,684円まで増えます。
複利の場合、本当の金利は12%ではなく12.68%。
これを「実効金利」といいます。
今度は一日ごとの複利で考えます。
年利12%なら、12を365で割った数字が一日の利率。
約0.329%になります。
これを複利で一年借りたとすると、一年の終わりの残高は112,747円になります。
実効金利が12.75%になる計算です。
ほとんどの金融機関は、一日毎の金利を使ってローンなどの計算をしています。
因みに、アメリカではクレジットカードの発行数は10億枚以上であり、一括払いする人は全体の1/3とのことです。
キャッシングやリボ払い、口座残高不足による遅延金などは、その発生した瞬間から利息が付きます。