「どのような時に投資をするべきか?」
「何に投資をするべきか?」
経済を知ることで、おのずと答えは見えてきます。
最低限知っておきたい「経済」と「株式」について
経済(エコノミー)とは?
「エコノミー」とは、ギリシア語の「オイコス」(家計)+「ノモス」(規範)を合成したもので、元々は「家計の規範」という意味でした。
明治維新以降に「エコノミー」という言葉が日本に入ってきた際に、「経世(世を治める)済民(民を救う)」という言葉を参考に「経済」と訳されたのです。
経済学とは「限られた資源をどう有効活用すれば良いか?」を考える選択の学問であり、「家計や企業がどんな行動をとるか」はミクロ経済学、そして「大きな経済のメカニズム」はマクロ経済学と呼ばれます。
経済の歴史
アダム・スミス 『国富論』
スミスは、資本主義システムを解明し、自由放任の経済政策こそが好ましいと主張した。
「保護されると必ず弱くなり、安くて良い物を作れなくなる」
「産業を強くするためには自由競争させなければならない」
「金は天下の回り物で、貨幣が流れて経済が活性化することが国が富むということ」
「自分の利益のために努力することが、同時に社会・国を豊かにする」
「市場には”神の見えざる手”が働き、価格が決定される」
→競争無くして成長無し。
カール・マルクス 『資本論』
マルクスは、資本主義社会は「搾取体制」であるから暴力を使ってでも打倒しなければならないと主張しました。
しかし彼の主張は、資本家・企業家の社会的・経済的役割を全く評価していません。
資本家(投資家)や企業家(経営者)は、市場調査、商品開発、工場建設、原料供給などを行った上に、必ず儲かるわけではないというリスクを負っています。
労働者は、リスクを負うことなく賃金を手にすることが出来るため、これは搾取されているとは言えないのです。
→資本主義と社会主義の優劣は「東西ドイツ」「南北朝鮮」を見れば明らかです。
ジョン・メイナード・ケインズ 「マクロ経済学」
ケインズは、有効需要(購買力のある需要)が経済の規模を決定することを発見した。
【有効需要】とは「消費・投資・政府支出」からなります。
「消費」は、国民所得によって決まり、国民所得は雇用によって決まりますが、所得からどのくらい消費に回るかは消費性向と呼ばれて国によって決まっています。
「投資」は、①投資の限界効率(追加投資が生み出す利益率)、②利子率(貯蓄か投資か)によって決まります。
「政府支出」は、財政政策(=呼び水政策、減税と直接支出で赤字国債発行でもOK)と金融政策(①公開市場調査、②公定歩合の調節※1、③銀行の支払い準備率の変更)です。
※1現在では、政策金利という形で、マーケットにおいて金利が決まるように中央銀行が誘導しています。
有効需要の構造が明らかになり、景気の変動をある程度制御できるようになり、これが「ケインズ主義経済政策」を生みました。
→「雇用統計」※2「金利」が注目される理由、財政政策・金融政策※3によって株価が上昇する理由がここにあります。
※2 毎月第一金曜日の夜に発表されるアメリカの雇用統計が特に注目されます。就職→収入→消費だから「雇用統計」が大事という理屈。その意味では「小売売上高」も重要。
※3 アベノミクスは三本の矢(財政政策・金融政策・成長戦略)を掲げたため、またコロナ禍においても各国が財政政策・金融政策を打ち出したため株価が上昇しました。
ヨーゼフ・シュンペンター 『経済発展の理論』
シュンペンターは、経済の発展というものは決して連続的なものではなく【新結合(イノベーション)】により飛躍的に発展すると主張しました。
①新商品(それまでになかった商品を創造する)
②新方法(それまでになかった新方法で商品が生産される)
③新販路(それまでになかった新販路が開拓される)
④新原料(それまで使用されなかった新原料によって商品が製造される)
⑤新組織(かつて存在しなかった新組織によって経済活動を行う)
→スマホ、サブスクリプション、クラウドサービス、自動運転、電子書籍、リモートワークなどです。
【進取の気性】を持って積極的に【新しいモノ】に触れていけば、他人より早く投資できる可能性が生まれます。
ミルトン・フリードマン「新自由主義」
経済をコントロールするためには、お金の量を考えればいいとするマネタリスト。
マネタリズムというのは、ケインズの主張する公共事業や累進課税に否定的で、世の中を流れるお金の量さえコントロールしていれば経済は上手くいくという考え方。
株式会社とは?
株式会社とは「利益を上げて株主に分配することを目的とする営利法人」です。
株式とは?
株式とは「会社の所有権」です。
個人投資家が、株(式)を買うとは「会社の所有権」の一部を買うということです。
株券とは?
株式を買った証明書を「株券」と言います。
株主の権利とは?
自益権
配当を受ける権利、会社が保有する資産の所有権。
共益権
会社の運営・管理に参加することのできる権利。
配当とは?
配当とは、会社の利益を株主に分配することです。
会社の利益は、会社の所有者である株主のものであり、どう使うかは株主が決定します。
配当控除
配当金と全ての所得を合わせて確定申告すると、税率を引き下げることが出来ます。
具体的には、1000万円以下なら12.8%、1000万円を超えると6.4%を累進課税率より差し引くことが出来ます。
株式分割とは?
高くなった株式を分割することで単価を下げて売買しやすくすることです。
※一株あたりの配当額を変えない場合には、実質的に増配となります。
増配・減配・無配とは?
配当を増やしたり、減らしたり、無しにすることです。
20年以上も連続で増配しているような企業は、景気の波に左右されないという安心感がありますので、長期投資に適しています。
