神道(神社)と仏教(寺院)について
神道は、天照大神によって日本が造られたという神話『古事記』から出発しています。
神社は、神々を祀るための建物で、入口に鳥居(狛犬)があり、五穀豊穣や商売繁盛などを願います。
神社 | 祀っている人物 |
伊勢神宮 | 天照大御神、豊受大御神 |
北野天満宮・太宰府天満宮 | 菅原道真 |
日光東照宮 | 徳川家康 |
明治神宮 | 明治天皇・皇后 |
仏教は、信仰する神という存在はなく、人間の生き方を仏に求め、自らも仏になろうとする宗教です。
寺院は、仏像が置かれていて、入口に山門(仁王像)があり、坊さん・尼さんなどの仏教徒が修行をしています。
釈迦(シャカ)
シャカは、ヒマラヤ山麓のシャカ族の小王国の王子として生誕しました。
やがて【生老病死】の苦を見て、この世の無常を感じ、地位・財産・家族を捨てて出家して修行し、三十五歳の時に悟りに到達してブッダ(真理を悟った人)となりました。
ブッダの教え
シャカの思想は、基本的にインドの【業(カルマ)の教説】を前提としています(因果応報)。
そして、この無限に続く因縁を断ち切って【無の境地=ニルヴァーナ(涅槃)】に到達することを持って[悟り]とします。
【八正道】とは?
【八正道】とは[悟り]に到達するための方法です。
- 正見-観察する
- 正思-思考する
- 正語-語る
- 正業-実行する
- 正命-生きる
- 正精進-努力する
- 正念-念じる
- 正定-瞑想する
上座部(小乗仏教)と大衆部(大乗仏教)
上座部の特徴は、戒律を厳格に守ることです。
また、悟りには段階が有り、全ての人が仏になれるとは限らないとされています。→東南アジアで栄えた。
大衆部の特徴は、誰でも仏になる素質を持っているという教えです。
そして、一人でも多くの人を成仏させるために働く【菩薩】が高く評価されます。→チベット・中国・朝鮮・日本で栄えた。
大乗仏教
菩薩(=悟りを求める者)は、全ての生き物を救うための菩薩行を実践した。
- 布施-財産や教えを与えること
- 持戒-戒律を守ること
- 忍辱-困難に耐えること
- 精進-努力すること
- 禅定-瞑想によって心を安定させること
- 智慧-あらゆる存在が「空」であることを悟ること
日本に影響を与えた中国仏教の四宗派
天台宗(智顗)
・法華経に基づく思想
・一切衆生はみな仏になる素質があるという立場
浄土教
・信仰を阿弥陀如来に集約させる
・救済は「信仰のみ」
禅宗(達磨)
・「不立文字」→経典の言葉に依拠しない
・瞑想と精神集中によって[悟り]へ到達する
真言宗(空海)
・仏教の中の密教
・大乗仏教の発展の最後の段階に成立した
儒教・道教
中国人の生命観
「父系の子孫を多数残し、
先祖のお祭りを盛大にやってくれれば、
安全にこの世に定期的に再生することが約束される」
こうした考えで、自分の生命を永遠化し、死の恐怖を克服しました。
福・禄・寿
【福】とは、子宝に恵まれること
【禄】とは、出世してお金を貯めること
【寿】とは、長生きすること
孝
【孝】とは、①祖先の祭祀、②父への敬愛、③子孫を作ること、です。
儒教(孔子)
儒家の目標は、身辺をきれいにし、家を整え、天下を平和にすることです。
つまり、政治が最終目標です。
礼
【礼】とは、文化的伝統であり、人間らしい振る舞い、行動の仕方です。
その考えは、祭祀の方法、政治の在り方にまで及びます。
仁
【仁】とは、他者に対する親愛の情、優しさを意味します。
道教(老子・荘子)
儒教が統治者の立場に立っているのに対し、道教は非統治者の立場に立っています。
無為自然と道を説いています。